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本を読む

15日にインターネットで頼んでいた本が届きました。アマゾンで何度も間違えながら初めて購入した本です。もうずっと以前から欲しいと思っていた本「愛の鬼才ー西村久蔵の歩んだ道」という三浦綾子さんが小説新潮に連載したものをその後文庫にしたものです。4年前に十七刷された新古本で、定価590円を送料込み3210円で購入したのです。この本はもう新品では恐らく手に入らないと思われます。亡くなった叔母の本棚にも見つける事ができず、ずっと探していてやっと手に入れました。この本の主人公西村久蔵さんは札幌の洋菓子のお店ニシムラの創業者で、旧制中学札商の教師、賀川豊彦の提唱したキリスト村の北海道での継承、北海道議会議員、日本キリスト教会札幌北一条教会長老その他沢山の要職を勤め、生涯をキリストとともに生きた信仰の人です。朝に夜に夜中まで、涙とともに三日で読み終えました。私が生まれる前の1953年に55歳の短くも素晴らしい人生を終えられたのですが、その生涯はキリストの十字架を見つめキリストの愛とともにそのキリストの愛を生きて亡くなったのです。子供の頃、駅前のニシムラで初めてフランスパンのバゲットを買いトリコロールの細長い袋に入れて抱えて帰ったことをいつも思い出します。大人になって地下鉄の切符売り場の近くにできた百円ケーキのお店は、聴覚障害の方の働き場所として赤字でしたでしょうに長く続けてありました。キリスト村も亡くなった後は環境や状況の厳しさからか、今は碑だけが残っているようですし、洋菓子のニシムラも近年経営の悪化でなくなりました。”もの”は消えて行っても、西村久蔵さんの生きた道は、お身内はもとより教え子や同僚、何十年もの知己ばかりか昨日会った人にまで大きな感動と影響を残して行かれました。三浦綾子さんは西村先生が亡くなる一年前に病床洗礼を、当時の北一条教会の牧師小野村林蔵先生に西村さんの立ち会いで受けられています。私は中学生の頃から伯母と一緒に北一条教会に通っていました。伯母は北星女学校でキリスト教の学びをし、小野村牧師はその北星女学校での講義によって「国賊」とされ当時の官憲により投獄されたのですが、その直前に北一条教会で小野村牧師に洗礼を授けられています。私が教会に行っていた当時、この本の中に出ていらっしゃる二度目の奥様の西村歌さんのお名前も覚えていますし、五十嵐伝導師やこの本の最初に書かれている「西村久蔵召天二十周年記念会」の司式牧師の山田滋先生はよく存じ上げています。西村久蔵さんが札幌で立ち上げた「禁酒会」の代表として葬儀の際に弔辞を読まれた方は、M先生や勇樹君、その他今お近づきになっているチーズの仲間や酪農家さん達の卒業された酪農学園大学の創始者の黒沢酉蔵先生です。今、進もうとする道への不安や恐れを取り除き、自分を信じるのではなく、キリストに招かれ生かされていることを信じ、傲慢さを捨て、キリストの十字架を見上げキリストの愛とともに生きる道を私も歩めるようにと祈る日々です。
   seiko
by ange_seiko | 2010-08-18 23:49